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参考文献等
熊野水軍古座河内祭の夕べ実行委員会発行「河内祭ガイドブック」
「紀伊続風土記」「串本百年史、年代表、古代~中世」「串本百年史、史料編」「西熊野の神々」「潮崎荘」他
著作権等
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古座青年会
東牟婁郡串本町古座
  古座獅子:辻固め・家固め・奉納
獅子舞の舞は大きく二つに分けられる。「しな獅子」と「あら獅子」である。
「しな獅子」は舞わす者と尾持ちの二人立ちで、御幣・鈴・扇・剣など持って優雅に舞う。
「あら獅子」は幕を広げ、獅子の胴体を尾持ちが形作ったり、又、その幕の中に1~7名も入って荒々しく舞う。
  弊之舞(へのまい)
古座獅子にとって獅子舞の基本であって、全ての演目のなかで一番大切な舞いが弊の舞である。
左手に御幣、右手に鈴を持ち、御幣と鈴を末広がりに振り割って東西南北の各四方を祓い浄める舞である。
昔は竈(かまど)を浄める「竈祓い」(荒神様)に舞わしていたようだ。
  神宮之舞、又は、神供舞(しんぐるまい)
御幣と鈴を持ち、弊の舞に煮た舞であるが、弊と鈴を「二」・「丁」の形様にして、優雅に鈴を鳴らしながら舞う。
伊勢太神楽には「神来舞」(シングルマイ。シグルマ)という五穀豊穣を願う大切な舞がある。 
  神明賛(しんめいさん)
扇を両手に持って、シナをつくって優雅に舞う。
しな獅子の奥義を会得した者でないと舞わせない。手にした扇の柔らかい動きはシナの所作から生まれる。その動きを「オドリ 」と言う。
「波」という芸は、扇を振るわせながら小波、大波と波の打ち寄せる所作を右へ左へとする。扇は末広がりの通じるので大漁を 表現する目出度い舞なのだろう。
  乱獅子(だんしし、または、らんじし)
あら獅子の基本である。
カバチ(獅子頭)を操る者、尾を持つ者、その間の幕に3~7名が入って、荒々しく魔という獲物を狙う獅子の動きを演じる。カバチ(獅子頭)の動きは荒い、四股を踏み、低く構え、「顎」・「三角」・「上下」の所作で、顎を使って噛む動作を繰り返す。終わりに地面に向かって噛む所作をしてから、カバチ(獅子頭)を高くさし上げる。「鐘巻き」といって地面を見据えた獅子は、鐘を巻くように地面すれすれまでカバチを下げて、正面に向かって四股を踏んで終わる。その土地に宿る魔を噛みくだき、祓い浄めるのだろう。
  花天狗(はなてんぐ)
乱獅子を舞わした後、獅子は牡丹の花の在処が分からない。見かねた天狗は御幣を振り割りながら獅子と掛け合い、迷っている獅子の首根っこを持って、牡丹の花の所まで連れて行く。牡丹の花を眼にした獅子は勇んで「花がかり」を始める。
  花がかり(はながかり)
「獅子と牡丹」と言うたとえがあるように、霊獣の獅子と百花の王である牡丹の花との組み合わせを「花がかり」という舞は表現している。
乱獅子から舞わし始め、牡丹の花に戯れる仕草を荒々しく、又、繊細に舞う。右へ左と「立ち分かれ」で牡丹を見つめ、「嗅ぎ分け」・「三角」・「裏」・「宙返り」・「大返り」・「飛び分け」と花を狙う所作が続く。「三振り」の技で牡丹の花をくわえ落とし、散った花びらを拾う所作をして終わる。
  浮かれ(うかれ)・(寝獅子)
牡丹の花や玉に戯れ遊び疲れて、ゆっくりと浮かれた仕草になって、後ろ足で顔を掻いたり、腹を舐めたりと滑稽な仕草の後、眠ってしまう。
  天狗(てんぐ)
鳳凰を模した鳥の絵柄の「鳥兜」を被り、擦ると音を出すササラという楽器を奏でるので「ササラ天狗」とも言い、女の子(6~8歳)が舞う。天狗は眠っている獅子をササラの音で目覚めさせようとする。そこにひょっとこの面を被った「チャリ」という、天狗の真似をするおどけ者も出演する。目覚めた獅子は、天狗が担げた剣を欲しくてたまらない。天狗の軽快で可愛い動きと、獅子の勇壮な動きは一番の見所である。翻弄されながらも、剣をもらった獅子は、意気揚々と舞を舞わす。
  曲剣(きょくつるぎ)
剣の舞を舞わしていて、くわえた剣を地面に落とし、獅子は剣をくわえ直そうとして、剣に戯れる。くわえ上げた剣を手にして獅子は意気揚々と剣の舞を始める。
  剣之舞(つるぎのまい) 

剣をかざした獅子が歌舞伎役者の様に四股を踏んで見栄を切る。古座獅子にはこんなきめ細かい所作をはじめ、全ての舞に生きた芸が受け継がれている。
抜刀し悪魔を切り払うのだが、切り払う所作は優雅である。四股を踏んで見栄を切り、振りかざした剣を鞘に収めて仕舞う。
  玉天狗(たまてんぐ)
玉天狗の天狗は男の子(小学3~5年生)が演じる。重ねた扇の間に玉を隠し、ハチマキをした天狗が登場する。扇の間からちらっと見えた玉に獅子は歓喜する。天狗の持つ玉の動きに釣られて天狗と獅子はそっと近づき、「引きわけ」で左右に別れる。玉を眼の前にしながら「舞いわけ」でじらされるが、「欲~しか・欲しか」の曲になってやっと玉を口に入れて貰い、嬉しい仕草で玉獅子を始める。
  玉獅子(たましし)
「玉と獅子」も目出度い組み合わせである。獅子が玉に戯れる仕草をすこぶる繊細に演じる。玉にそっと近づき様子をうかがう、玉を股越え構えてみるなど、「舞い分け」・「三角」・「裏」・「四角」・「追う」の所作をして、「三足」(ミアシ)の足さばきの所作で迫り、激しいカバチ使いで玉をくわえる。低く玉を狙う獅子の目線は、あら獅子の中でも熟練した技が求められる。
  扇之手(おおぎのて)
扇にそっと近づき、様子を伺うなど、「突き分け」・「三角」・「裏」・「飛び越し」・「追う」・「三足」と変化のある所作が続く。扇を見据えて下がる繊細な所作は古座獅子の極意である。「追う」は最高の見せ場だ、舞手は座ったまま左足の親指で扇を挟み、小刻みに扇を揺らしながら半円に動いて、獅子頭を上・下で支え激しく扇を追っていく。玉獅子とは違った「三足」の足さばきの所作で迫り、荒々しいカバチ使いで扇をくわえる。
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